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日本通訳翻訳学会JAITS関西支部第71回例会シンポジウム 「中国語圏における文化の越境と翻訳・通訳:時空を超えたコミュニケーションの諸相」
JAITS会員の皆様
関西支部第71回例会は、愛知大学現代中国学会とともに、中国語圏における文化の越境と翻訳・通訳について議論するシンポジウムを開催いたします。登壇者によるテーマに関する活発な議論も予定されていますので、ご関心をお持ちの方は是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。
日本通訳翻訳学会JAITS関西支部主催、愛知大学現代中国学会共催、愛知大学国際中国学研究所後援
「中国語圏における文化の越境と翻訳・通訳:時空を超えたコミュニケーションの諸相」
日時
2026年7月11日(土)14時―16時30分
方法
愛知大学名古屋キャンパス講義棟L803+ZOOM (ハイブリッド)
登壇者が各自講演(各30分)後に(休憩10分間後)総合討論(30分間)を行います。
講演言語
日本語(手話通訳付・要申込)
概要
翻訳・通訳は、言葉を単に置き換えるのみならず、何らかの文化を「越境」させる過程において重要な役割を果たしている。今回のシンポジウムでは、主に中国語圏を対象に、諸言語・諸文化が交わり、広がっていく過程に焦点を当てて議論する。具体的には、異言語や異文化の間にある場所――外国使節の接待官庁「会同館」に集う通事たちの職務と規範意識(明代)、『シャーロック・ホームズ』の中国「デビュー」およびその社会的役割(清末)、アルプスから吹かれてきた風が運ぶ異なる土地の児童文学とアニメ作品の魅力(現代)という、3つの時代を代表する講演を通じて、翻訳・通訳によって形成された、時空を超えた文化的領域における独特の複雑さと興味深さに触れながら、翻訳・通訳と文化越境との関係性を捉え直す契機としたい。
講演内容
講演1:「中国における通事の役割と規範意識 ―「会同館」通事を中心に」(平塚 ゆかり)
講演2:「シャーロック・ホームズ、登場―中国清朝末期における翻訳探偵小説のはじまり―」(余 玟欣)
講演3:「ハイジとペーター ―アニメ作品の吹き替えと字幕の魅力―」(藤森 猛)
お申込み方法
下記Googleフォームより参加申し込みを行ってください。開催前日までにZOOMリンクをお送りいたします確認メッセージをご確認できない場合は下記問い合わせまでご連絡ください.
Googleフォーム
https://forms.gle/7symR5E3DfhS3L3p6
お問い合わせ
JAITS関西支部 朱藹琳 Email: ailinz@vega.aichi-u.ac.jp
開催案内
講演内容詳細
講演1 「中国における通事の役割と規範意識 ―「会同館」通事を中心に」(平塚 ゆかり)
【要旨】
中国大陸において「通事」という名称が通訳従事者を指す語として定着するのは宋代以降であり、清末に至るまで継続的に用いられた。明代に外国使節の接待を担った官庁である「会同館」には多言語に通じた通事が配置され、外交を支える役割を果たしていた。『明会典』には、「会同館」の通事が日本の長崎唐通事と同様に、通訳・翻訳にとどまらない多面的な職務を担っていたことが示されている。
以上を踏まえ、本報告では、第一に「会同館」通事の役割を整理し、第二に一次史料に見られる賞罰の記述を手がかりとして通事の規範意識を分析する。さらに、この規範意識を現代通訳者の規範意識と比較することで、歴史的連続性と相違点の双方を明らかにすることを目的とする。
【プロフィール】
順天堂大学、職業能力開発総合大学校非常勤講師。専門領域は通訳翻訳学。
講演2 「シャーロック・ホームズ、登場―中国清朝末期における翻訳探偵小説のはじまり―」(余 玟欣)
【要旨】
本報告は、中国清朝末期(清末)の新聞『時務報』に掲載された、中国における最初の『シャーロック・ホームズ』翻訳を対象として、その文学史的意義を考察するものである。まず、『時務報』の性格を踏まえ、同紙における『シャーロック・ホームズ』翻訳の位置づけと翻訳ストラテジーを検討する。次に、翻訳テクストに見られる物語様式および文化翻訳の諸相に注目し、西洋探偵小説と中国の伝統的な筆記小説・公案小説とのあいだに形成される間テクスト性を分析する。以上を通じて、清末における翻訳探偵小説が当時の文学・社会・文化に果たした役割を再評価する。
【プロフィール】
神戸大学グローバルエンゲージメントセンター特命講師。研究関心はカルチュラル・スタディーズ、探偵小説、台湾文学。
講演3 「ハイジとペーター ―アニメ作品の吹き替えと字幕の魅力―」(藤森 猛)
【要旨】
中国・韓国・台湾・日本など東アジアの各地で、最も人気のあるスタジオジブリ作品の原点といわれるテレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』(1974年)の魅力を考える。
『アルプスの少女ハイジ』は、宮崎駿、高畑勲、小田部羊一の3人のアニメ巨匠が手がけた連続テレビアニメ作品(52話)であり、その後に設立されたジブリ作品の魅力が集約されているといわれる。
この発表では、ヨーロッパの児童文学、日本の児童文学、中国の児童文学および中国アニメ映画の影響を受けながら生まれた作品の制作過程、台詞に注目する。また今回は、特に日本アニメの中国語への吹き替え翻訳と字幕翻訳の手法を分析しながら、主人公ハイジの魅力を考えてみたい。
【プロフィール】
愛知大学現代中国学部准教授。東アジアポップカルチャー研究。中央戯劇学院(北京)留学。
以上