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日本通訳翻訳学会関西支部第61回例会のお知らせ

日本通訳翻訳学会関西支部では、第61回例会をオンラインにて下記のとおり開催いたします。会員外で一般からのご参加を希望される場合は、JAITS関西支部までお問い合わせください。

【日時】

2023年3月18日(土)15:00~17:20

【場所】

オンライン(zoom使用)

【内容】翻訳教育報告

 今回は、教育における翻訳の活用や、翻訳そのそのものの教育について考えるために、2名の会員から翻訳教育についての実践報告をいただきます。質疑応答・議論の時間もしっかり確保いたしますので、参加者の積極的なご発言を歓迎いたします。

【発表者】

武部好子(就実大学)「翻訳教育:二次元から三次元の世界へ」
香取芳和(上智大学)「翻訳の授業の意義を探し求めて」

【要旨】

 報告1:武部好子(就実大学)「翻訳教育:二次元から三次元の世界へ」
 要旨:本発表では、紙面に書かれた二次元上のテクストをいかに三次元の立体的な空間に翻訳するのかについて、実際に担当した翻訳の授業や講座を通して検討する。地域の博物館や美術館と連携して取り組んでいる作品パネル解説の翻訳や、絵本の文字をリズミカルに声やジェスチャーを駆使して演劇的に翻訳する事例を分析する。最終的にはこのような翻訳教育がもたらす言語と非言語の相乗効果について明らかにする。

 報告2:香取芳和(上智大学)「翻訳の授業の意義を探し求めて」
 要旨:翻訳家の故・山岡洋一氏は、著書『翻訳とは何か』の中で翻訳者養成校を手厳しく批判しています。1990年代に入って受講生を多く集めることには成功したものの、その実「教育の成果はないにひとしい」と。ご自身も大手翻訳学校で教えた経験をお持ちですから、山岡氏の言葉には重みがあります。しかし翻訳学校の講師をおやめになったあと、2011年に亡くなるまでの数年間、青山学院大学で翻訳の授業を担当していらっしゃったことを考えると、大学での翻訳教育に、翻訳学校の授業にはない意義を見つけられたのかもしれません。実は私自身、1990年から約20年間、翻訳学校で講師をしていました。2010年からは教える場を大学に移して今に至ります。そして翻訳学校にいたときよりも今のほうが、少しは受講生の役に立てているように感じております。翻訳の授業の意義は何か。長年考えてきたテーマを皆さんと話し合えたらと思っております。

【お問い合わせ】

大久保 友博 (bs_221b-lj [at] infoseek.jp)